A42

生物多様性研究・ラボ

出展団体代表者 : 一ノ瀬友博(環境情報学部)
    • 東京ミッドタウン・イーストB1Fホール
  • A42

ハビタットロスの過程に着目した生態系減災機能評価

プロジェクト担当 : 一ノ瀬友博過去の自然災害を取り上げ、その災害に至るまで のハビタットが失われた経過(ハビタットロス)を分析し、ハビタットロスに基づく被害・損失コストを算出しています。対象とする自然災害は、事前にある程度対策が可能な洪水、高潮、津波、土砂災害を取り上げます。被災当時の被害額と機能を果たせなかった防災対策費に基づき、経済的損失を評価し、それぞれのハビタットが持つ減災機能を経済的に評価します。これらの分析に基づき、生態系減災機能評価手法を開発しています。

伝統的な生態学的知識(TEK)からヤマネをみる

プロジェクト担当 : 張皎嬌ニホンヤマネ Glirulus japonicus はリスやネズミと同じ齧歯類に属する小型哺乳類が独立したヤマネ科であり、国の天然記念物で準絶滅危惧2種に指定されています。山の神の機嫌が悪いときに現れ、特に人間に何か悪さをするわけではないのですが、背中から裂けて破裂すると言い伝えられています。その破裂音を猟師たちは山の神の怒りや警告として恐れており、猟をせずにすぐに家へ帰るそうです。 森の変化に敏感な絶滅危惧種のヤマネに対する伝統的な生態学的知識( TEK )を把握するために多くの文献を調べました。

港区の緑視率から見た都市景観のあり方

プロジェクト担当 : 黄煜華本研究では、屋上緑化や壁面緑化等を進行中の都市における植生を回復させる手段を踏まえ、東京都港区の都市景観画像から升目計算法によって、市街地における緑の量の比率を示す指標の一つである「緑視率」を算出しています。そして、都市景観画像を用いたアンケート調査を行った上で、統計解析を分析し、「緑視率」に関する種々の要素を加味した評価法の検討を行います。これらの分析に基づき、緑視率が人に与える心理的影響を定量的に明らかにするとともに、東京都港区の色彩環境を改善する緑化のあり方を探しています。

福井県三方湖ハス川流域におけるグリーンインフラの経済評価

プロジェクト担当 : 森崎理哉グリーンインフラストラクチャーの経済評価は、価値の「見える化」を促し政策等意思決定の指標となるため重要なものとなっているが、実際まだあまり行われていない。本研究では頻繁に氾濫が起きる福井県三方湖地域に着目し、生態系減災(Eco-DRR)の考え方をもとに、災害リスクの少ない地域へ移住した時の周辺経済への影響を評価し、グレイインフラとの経済的な比較を行う。また、その結果として得られたデータをもとに事前復興の際の街の防災・減災機能や、都市におけるグリーンインフラ(特に生態系減災)の重要性などに関して提言を試みる。

神奈川県におけるニホンイモリの遺伝的多様度と生息環境について

プロジェクト担当 : 清水拓海日本固有の有尾両生綱であるニホンイモリ Cynops pyrrhogasterは準絶滅危惧種に指定されています。かつては水田や水路など日本の里山環境で容易に観察することができた身近な種です。ニホンイモリの生息地となる水田の面積は神奈川県においても年々減少しており、個体数減少の根本的な原因となっているものと推測されます。本研究では神奈川県に生息するニホンイモリの遺伝的多様度と、生息環境についての調査から保全手法の構築を目指しています。

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