展示

ブース番号:A12

諏訪研究会

出展団体代表者 : 諏訪正樹(環境情報学部)

東京ミッドタウン・イーストB1F ホール A12

多様なる認知科学研究:からだを語って身体知を学ぶ

プロジェクト担当:小関美南

身体知とはからだや生活の文脈に根ざした知のことを指します。いつのまにか無意識に身に付くケースもあるでしょうが、本プロジェクトでは、敢えて身体が為していることをことばで表現しようという意識付けが、身体知の学びを促進することを説きます。ことばがもたらす効用は、身体や環境に潜む変数への気づきを得ることです。新たな変数への気づきは芋づる式に他の変数への気づきを促します。本プロジェクトでは、特に、異分野の身体知を模索する他者と語り合うことにより、新たな変数への気づきが促されることを論じます。

多様なる認知科学研究:メモは思考や発想を促す

プロジェクト担当:林剛弘

我々は、まるめも、hexという二種類のメモを開発してきました。前者は三種類の大きさ(直径3cm, 5cm, 8cm)の丸いメモ媒体です。hexは、同じく半透明の六角形のメモ媒体です。思いついたことをパッと書き留めながら、机の上やボードの上に並べ、各々の内容の関係性を考え、その過程で気軽に書き留めるという行為のサイクルを生みます。創造的な思考や発想はいきなり誕生するものではありません。我々は、形や大きさの異なる二種類のメモを併用して思考のサイクルを効果的に起こす手法を模索しています。

多様なる認知科学研究:『居心地』を語る空間図式

プロジェクト担当:桑山菊夏

誰にでも、しっくりと落ち着く空間や、心がざわついてしまうような落ち着かない空間が存在します。俗に「居心地」と呼びますが、居心地を語り、論じることは、暗黙性の高い自らの身体知を探る行為であり、暗黙知を探究することを目論む重要な認知科学研究です。居心地を語る際の鍵は、自分の身体が位置している空間に存在する物理的世界への意識的留意と、物理的世界に対する自らが与えている意味や解釈を自覚することです。藤井晴行氏らが開発した、写真日記に基づく写真KJ法は、それを実践する有効な手法です。

多様なる認知科学研究:市民のシビックプライドの醸成を促す

プロジェクト担当:山崎一臣

震災復興においては、ひとの心のつながりを促すコミュニケーション面の復興が重要です。我々が3年半に渡り運営してきた『てつじん-おとなりさんの哲学』というプロジェクトでは、被災者の市民が自分のまちやコミュニティーに対するプライドや想い入れを醸成することを促す仕組みを考案し、気仙沼市で実践してきました。その仕組みとは、各市民が心の中に有するまちへの強い想いや仕事に対する哲学を、インタビューを通して顕在化し、ポストカードの形態でコミュニティーに共有するというものです。

多様なる認知科学研究:暗黙知とは?その正体を論じる

プロジェクト担当:真子瑛早

われわれが有する知は暗黙性が高い。身体で分かっているものごとをことばで表現してみようとしても、何か重要なものごとがするりと抜け落ちる感覚が否めません。かといって、暗黙知はことばと無関係に成立しているのかというと、そうでもないのです。意識に上ったものごとの欠片を、ことばやスケッチという手段により外的に表象する行為が、身体と外界との相互作用を変え、暗黙知の醸成を促しているようにも思えます。暗黙知は心の奥底でどのような構造で栖息し、ことばとどのような関係を切り結ぶのか?我々の仮説を提示してみました。

多様なる認知科学研究:衣服、建築、光 - 「身にまとう」という認知

プロジェクト担当:仲清花

住むという行為は、衣服を「身にまとう」ように、建築に肌感覚を認知することです。同じように、光を浴び、感じるとき、身体は新しい衣服をまとったかのような認知を得ます。空間を構成する建築や光を衣服のメタファーで論じること、また逆に衣服を建築や光のメタファーで論じることは、生きて行く上で我々の身体が環境とどのような関係を醸成しているのかについての知見を得る研究として、認知科学探究の興味深い事例になり得ます。
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