E07展示

藤井進也研究室

出展団体代表者 : 藤井進也 (環境情報学部)
  • 3.すべての人に健康と福祉を
  • 4.質の高い教育をみんなに
  • 11.住み続けられるまちづくりを
東京ミッドタウン・イーストB1F ホールA
ブースNo.E07

人類にとって音楽とは一体何でしょうか。私たちが普段何気なく聴き、演奏し、楽しむ音楽は、実はヒトの文化・進化・発達の起源や、社会性や創造性、知覚、認知、運動、記憶、情動、学習といったヒトの脳機能を理解する上で、極めて重要な研究対象です。本展示では、藤井進也研究会(音楽神経科学ラボ・NeuroMusicLab / エクス・ミュージックラボ・x-MusicLab)が、現在行なっている「音楽と脳のサイエンス / 未知なる次の音楽」について紹介します。

音楽家の脳・身体・発達

プロジェクト担当 : 出口愛里沙・小嶺美月・奥絢介・三摩朋弘・千葉楽斗・本田一暁

音楽家の脳は、非音楽家の脳と比較して、一体何がどのように異なるのでしょうか。本プロジェクトでは、ゴスペラーズ北山陽一氏、慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室MTR Labと共同で、核磁気共鳴画像法(MRI)、経頭蓋磁気刺激法(TMS)、脳波(EEG)等の手法を用いて、音楽家の脳の構造と機能について研究しています。また、音楽家の動作解析や、音楽演奏評価に関する知覚実験もおこなっています。さらに、東京大学大学院教育学研究科発達脳科学研究室と共同で、赤ちゃんの音遊び行動の起源についても研究しています。

音楽と精神医学

プロジェクト担当 : 本多栞・松下佳鈴・越智涼・戸張維

ヒトの音楽性と心(こころ)の脳内起源とは一体何でしょうか。音のピッチやリズム、ハーモニーを知覚生成する能力と心の健やかさの間にはどのような関係があるのでしょうか。本プロジェクトでは、慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室MTR Labと共同で、統合失調症、うつ病、軽度認知障害、双極性障害、自閉症スペクトラム障害等の精神疾患を対象とし、音楽機能と精神症状の関係性について研究しています。例えば、統合失調症患者のリズム知覚生成能力と臨床症状・脳機能構造・脳代謝物質の関連性について研究しています。

音楽と薬

プロジェクト担当 : 菊池優大・今井瑛子・豊田愛莉・松木友理恵

音楽の力を人々の心身健康のために活かすにはどうすればよいでしょうか。本プロジェクトでは、神経科学的なエビデンスに基づいて、音楽を「薬」として使えるような未来を創造することを目指し、基礎的研究に取り組んでいます。湘南慶育病院と共同で、脳卒中患者の音楽機能と臨床症状、脳損傷領野の関連性についてMRI脳構造イメージング研究を行なっています。また、赤外線光イメージング装置(Near-infrared Spectroscopy: NIRS)を用いて、テンポ知覚判断に関わる脳活動領野について研究しています。

世界最速ドラマーを超えるインタラクション技術の開発

プロジェクト担当 : 今野嶺・三摩朋弘・秋サンボム・本田一暁

ヒトの学習能力を最先端の情報技術で拡張し、凡人が天才を超える未来を創造することは可能でしょうか。現在のドラム早叩きの世界ギネス記録は、両手で1分間に1208回です。本プロジェクトでは、シカゴ大学のPedro Lopes 博士と共同で、筋電気刺激(Electrical Muscle Stimulation: EMS)技術について研究を行い、世界最速ドラミングを実現する独自のEMSドラムトレーニング方法を開発しました。現在、EMSを用いた人間拡張トレーニングの効果について、実証研究を行なっています。

音楽感動の脳内機序と感動体験の拡張

プロジェクト担当 : 坂本嵩・野見山菜摘・大石夏生・菊地最愛・堀優衣・塩井日奈子・石川友梨

音楽に感動してゾクゾクと鳥肌が立つ時、脳では一体何が起きているのでしょうか。本プロジェクトでは、音楽感動体験が生じる生理心理機序の基礎的理解と、音楽の感動体験を増幅する技術の開発に取り組んでいます。バイノーラルマイクを使ったASMR音の研究、冷感触覚フィードバックを用いた新たな音楽聴取方法の提案、日本語版バルセロナ式音楽報酬質問紙を用いた音楽感受性の個人差評価、上手な歌と感動する歌の差異など、「音楽の感動」をテーマとした多様な研究を実施しています。

エクス・ミュージック・ラボ

プロジェクト担当 : 土屋佳祐・天野真・松橋百葉・太田遥月・藤本未来

音楽をテーマとした研究のフレームワークやアート表現の可能性が劇的に変化しつつある今、我々人類は一体どのような音楽の研究・創作・表現を行うべきでしょうか。藤井進也研究会 エクス・ミュージック・ラボ(x-Music Laboratory)では、多様な文化・芸術・学術領域を横断・乗算(= Crossing, 'x')しつつ、音楽の起源や普遍性、応用性を探究し、まだ確固たる名称のない、未知なる次の音楽文化(= ne'x't Music)を創造・開拓することを目的として、研究・アート活動を行っています。

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