自動認識システムの実用化において予見される大量のイベント処理において、IDの選別と変換が性能のボトルネックとなる。RFIDミドルウェアはイベントに埋め込まれるIDを識別可能なフォーマットへ変換した後、予め登録されている規則に従って選別する。本研究はミドルウェア内のデータフローを再設計し、状況に応じて動的に再構築するバイトベースの選別器を提案する。従来のものに比して、本提案を実装したミドルウェアでは1000イベントを処理するための待ち時間を1 ms以上から100 us以下にまで低下することを示す。
食品安全・贋物防止のためには、商品1つ1つにシリアル番号を付与して商品ごとに異なる情報をコンピュータで管理することが有効である。現在使われているJANバーコードは商品識別用であり個体識別には向かないとされていた。しかしバーコードには微細な印字ゆれがあり、その印字ゆれの形はバーコードごとに異なる。本研究では、画像処理技術でバーコードの微細な印字ゆれを検出、特徴量抽出、符号化することで、JANバーコードを個体識別する技術、およびJANバーコードのみで商品識別と個体識別を同時実現する技術を確立する。
物が製造段階から個体識別できるようにバーコードやRFIDでタグ付けされる時代においては、友人間での物品の簡単なシェア、物品の流通・使用履歴に応じた価値付与、購入した食品の消費期限順での消費、リコール商品の自動通知などが簡単にできるようになる。本展示では、試作システムにより、このソースタギング時代における物品管理システムをデモンストレーションする。