クモ糸は強度と伸縮性を兼ねそろえており、その強靭さや再生可能性から、次世代の超高機能タンパク素材として注目されています。このクモ糸の高機能発現メカニズムを明らかにし、そのデザイン原理を人工クモ糸開発に活かすため、我々は世界中から集めた1,000種類のクモの遺伝情報解析と、それぞれのクモ糸の物性解析を進めています。
クマムシは体長0.3mm程度の小さな生物で、苔の中などで生活しています。のしのしと歩く様から名付けられたこの生物のうち、陸に住むものの多くは周囲が乾燥すると樽型に身を縮め「乾眠」に入ります。この状態のクマムシは絶対零度の超低温から100度程度の高温、真空、超高圧、 放射線への暴露などに耐える驚異的な能力を持っています。私達はこのクマムシの極限環境耐性メカニズムを明らかにすることを目的としています。
研究用途では、既に僅か$1,000で個人の全ゲノム情報を解読できるようになってきています。「パーソナルゲノム」によって、私たちは自分たちの病気のリスクを事前に知ることができ、病気になる前に予防したり、創薬や治療に結びつけたりできる可能性があります。数年後に確実に到来するこのパーソナルゲノム革命に向けて、我々は冨田勝所長個人の全ゲノムを解読し、これを教育利用ができるように実名で公開しました。