からだメタ認知は生活意識をどう変えるか - 写真日記の習慣
プロジェクト担当 : 桑山菊夏
からだメタ認知とは、からだで感じている体感をことばで表現することによって、体感とことばのつながりを紡ぎ出す認知手法です(諏訪・藤井15)。「とりあえず表現してみる」ことが重要で、それまでやり過ごしていたものごとへの気づきが増え、体感とことばの共創が生じ、生活意識が進化します。藤井晴行氏らが開発した「写真日記」(諏訪・藤井15)は、からだメタ認知を実践する効果的な手法です。学生が長期間実践し生活意識の変容を分析します。
[諏訪・藤井15] 諏訪正樹・藤井晴行. 『知のデザイン 自分ごととして考えよう』, 近代科学社, 2015.
[諏訪・藤井15] 諏訪正樹・藤井晴行. 『知のデザイン 自分ごととして考えよう』, 近代科学社, 2015.
コンストラクティブ・スケッチ - 触るように観て、聴く
プロジェクト担当 : 真子瑛早
生活の何げない風景やひとこまも、少し心持ちを変えて眺め耳を澄ましてみると、普段はやり過ごしているモノゴトに気づき自分なりの意味を見いだせるようになります。人生の問題意識が芽生え、生き甲斐を見出すことにもつながります。「触るように観て聴く」ことは、テクノロジーの進歩で便利で豊かになった現代において、実は、失われつつある身体知だと思います。ちょっとした風景に自分なりの意味を積極的に見いだすことを促すスケッチ行為を「コンストラクティブ・スケッチ」と名付け、その効果的な手法を模索してみました。
「待つ」ことの多様な姿
プロジェクト担当 : 小関美南
雨宿りする、煎茶を淹れるとき茶葉がひらくのを待つ、いいアイデアが思い浮かぶまで寝かせておく-「待つ」という概念は、様々な姿でわたしたちの生活の中に潜んでいます。ひとは、なぜ待つのか、なぜ待てないのか、あるいは本能的に“待ってしまう”生き物なのか。「待つ」というフィルターを通してものごとに対峙するなかで出逢った「待つ」の多様な姿から、そこに潜む身体性を紐解きます。
川のある風景 - 街、村、里山
プロジェクト担当 : 奥野裕二郎
慶應湘南藤沢キャンパスと最寄り駅湘南台のあいだに引地川という川があります。相模原台地の終端、森の泉公園の湧水を源流とする二級河川です。引地川と両側の台地がつくりだす起伏のある複雑なランドスケープは、新しい街、村、そして里山が入り組む生活圏を育んでいます。我々は、からだメタ認知や身体知[諏訪16]、そしてアフォーダンスの観点から、この複雑なランドスケープに形成されたコミュニティの魅力を語ります。
[諏訪16] 諏訪正樹. 『「こつ」と「スランプ」の研究 身体知の認知科学』, 講談社, 2016.