慶應義塾大学看護医療学部ビオトーププロジェクト
プロジェクト担当 : 湯浅拓輝
看護医療学部の裏手にあるビオトープ(看護ビオトープ)の再整備に向けて日々活動しています。外来植物の繁茂や管理不足による木々の密生など課題の多い当地ですが、周辺には生物多様性の高い自然が残っています。本プロジェクトは、看護ビオトープが地域の生物多様性向上に貢献できるように、改善案を提案することが最終目標です。
現在は周辺環境も含めた生物相の把握のため、生物調査をメインに活動しています。他にも外来植物の駆除作業、水質調査、自動カメラによる動物の撮影等、試行錯誤を繰り返しながら再整備に向けて取り組んでいます。
島嶼部に生息するシジュウカラのさえずりにおける地理的変異と種分化
プロジェクト担当 : 中尾圭志
鳥類のさえずりは、同種にもかかわらず生息地によって違いがあることが知られており、変化が起こる要因としては周辺の鳥相の多様度、周囲の音環境などが考えられます。また、さえずりの変化は地理的に離れた種同士のコミュニケーションの弊害になることだけでなく、生殖隔離、さらには種分化の要因となると考えられます。本研究ではシジュウカラを研究対象とし、本土と伊豆諸島に生息するシジュウカラのさえずりの比較を行い、両個体群の発声にどのような違いが見られるかを検証し異所的種分化に与える影響を探ります。
明治神宮で繁殖するオオタカの育雛期の給餌内容
プロジェクト担当 : 水村春香
オオタカは鳥類を主食とするタカの1種で、主に農地、森林、集落が混在する地域に生息しています。しかし近年、オオタカは本来の生息環境とは異なる都市部に分布を広げ、繁殖まで行うようになっています。都市進出要因の一つとして、オオタカの餌となる動物が都市で増加していることが示唆されていますが、日本の都市における本種の餌動物に関する報告はほとんど存在しません。そこで本研究では、都心にある明治神宮で繁殖したオオタカの餌内容を食痕、ペリット、ビデオ撮影により調べ、都心に棲むオオタカの食事情を明らかにしたいと思います。
川崎小学校におけるチョウ類・トンボ類を題材とした環境教育
プロジェクト担当 : 京本克樹
川崎市内に位置する小学校において、池型のビオトープやプールなど学校内の敷地とチョウ類・トンボ類などの身近な昆虫類を題材とした、およそ半年間に渡る環境教育プログラムの提案および実施している。このプロジェクトでは、対象となる小学5年生の児童116名の生物を尊重する心や自然環境への興味関心などを養うことを目的としている。
緑文化プロジェクト"GREETURE"
プロジェクト担当 : 神田真希
「都市緑化?泥臭いイメージがあってあまり興味がわかないな。」友人たちからこう言われたことが、僕にとっては予想外でした。都市緑化は景観のデザイン性の向上とともに、温暖化対策にも繋がる効果的な取り組みです。ですが、私は彼らの言葉を聞き、次世代を担う若者が緑化に関心を持っていないことが問題だと感じ、本プロジェクトを立ち上げることにしました。緑化(greening)と文化(culture)を組み合わせた緑文化(greeture)というワードを通して、若者に都市緑化の魅力に気付いてもらえることを目指しています。
気仙沼復興プロジェクト・舞根オーラルヒストリープロジェクト 復興オーラルヒストリー -地域情報の再編纂と復興まちづくりビジョンの創発-
プロジェクト担当 : 板川暢
復興まちづくりを進める上で、地域情報を蓄積、整理、共有、継承していくことは重要な課題です。当プロジェクトでは、気仙沼市舞根地区をフィールドに、地域の資源や課題、住民の意向などの被災により失われた、そして復興の過程で蓄積される膨大な情報を、オーラルヒストリーを用いて抽出しています。これらの情報を編纂し後世に引き継ぐとともに、地域住民へフィードバックすることで、住民主導の自発的な復興ビジョンの創発と実現を支援する試みです。
ハビタットロスの過程に着目した生態系減災機能評価
プロジェクト担当 : 一ノ瀬友博
過去の自然災害を取り上げ、その災害に至るまで のハビタットが失われた経過(ハビタットロス)を分析し、ハビタットロスによるコストを算出しています。対象とする自然災害は、事前にある程度対策が可能な洪水、高潮、津波、土砂災害を取り上げます。被災当時の被害額と機能を果たせなかった防災対策費に基づき、経済的損失を評価し、それぞれのハビタットが持つ減災機能を経済的に評価します。これらの分析に基づき、生態系減災機能評価手法を開発しています。