卒業生、塾生、塾員それぞれが携わった書籍などの刊行物を発表するビブリオバトルと、岩竹徹+Cyber Sound Projectのライブによる「前夜イベント」を開催します。
すでに活躍する卒業生のみならず、次世代の芽である塾生たちのライブ・パフォーマンスをお楽しみください!
16:30 開場
17:30 開演
受付にて顔写真つき身分証明書のご提示をお願いいたします。ご提示いただけない場合は、アルコールのご提供ができかねますのでご了承下さい。
参加費は本イベントの運営資金に充当します。
なお、余剰が生じた場合には、慶應義塾大学SFC Open Research Forumの運営資金として使用させていただきます。
SFCの学生、卒業生、教員からなる出場者がオススメの本を制限時間内5分以内にプレゼンテーションし、それを聞いた来場者が投票をして最も読みたい本を「チャンプ本」として決定するという、興味を持たせるプレゼンテーションが共感を生むゲームを開催いたします。SFCを象徴するかのように多様な著者が集い、新しい交流が生まれることも目的の1つですので、どなたでもご来場・投票いただけます。
卒業生や教員らが手がけた本のみならず、「次世紀の芽」である学生自身が執筆・編集・デザインしたzineにもぜひご注目ください!
昨年のコンセプトは「PROTO-MUSIC」、今年は「次世紀音楽の芽」。どちらも現在を起点とし、一方は音楽の原始を、もう一方は未来の音楽を見つめる。これらは一見正反対の方向へ向けられた眼差しであるが、実は現在の音楽の在り方に異議を唱え、新たな発見を志向するという点では共通した精神と言えよう。今ここに無いもの、まだ見えずコトバにさえなっていないものへの熱望こそが、私たちを突き動かす。
「虹の霞」は、元々は1995年の阪神・淡路大震災で亡くなられた多くの方々の鎮魂のために、同年に開催された神戸国際現代音楽祭から委嘱された作品です。東野珠実さんにより初演されました。
あれから20年経ちましたが、今日でも世界各地で様々な災害や争いなどで犠牲者が止むことはありません。その様な現実の前で僕は無力である事をいつも思い知らされますが、全く非力ではあっても一人の人間として心の平安への祈りを捧げる事により音楽の原点へ立ち戻り、音楽と人類の明日を思う一時を皆様と共有したいと思います。
岩竹徹
1951年2月、東京の広尾生まれ。慶應義塾大学工学部、イリノイ大学音楽学部大学院修士課程、ハーバード大学音楽学科作曲博士課程を卒業。Ph.D.(ハーバード大学、1980)。ハーバード在学中は、MITのBarry Vercoeのスタジオ(メディアラボの前身)でコンピュータ音楽の研究を行う。1979年ガウデアムス国際作曲コンクール入賞、およびMBロックフェラー財団賞、1980年以降は、オーストラリア、カナダ、アメリカ、ヨーロッパからフェローとして招かれ作曲活動を行う。1990年に慶應義塾大学SFCに着任し、現在環境情報学部教授。
システム内で自由に振舞う"elements"、それら相互の反応が立て続きに発生する"nexus(連鎖)"、そしてそれを演奏家が観察し、ライブで関与していく"feed"。この3つの要素の連環が、音響的体験を紡ぐ。立脚点に今一度戻り、そこから垣間見る可能性を考察する。
魚住勇太
1978年奈良県出身。電子音楽家。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科エクス・デザインに所属後、博士号取得(政策・メディア)。「ギズモ」という独自の技法で、人工生命同士の補食関係/生態系の中からリズムやドローンを生み出す。ニューヨーク電子音楽祭をはじめ、バルセロナ、ベルファストなど、国際的な公演も行う。2014年、SJQ++での活動でアルスエレクトロニカ・デジタルミュージック部門にて準グランプリ受賞(Award of Distinction)。現地Brucknerhausにて公演。
scanline:fpは、リズムやピッチに基づく古典的な音楽生成方法とは違った視点の提示を目標とした作品である。本作品は、画像をリアルタイムにスキャンして得られるデータを波形に変換する独自の音響合成システムを利用して演奏される。波形には音色に関わる様々な情報が含まれるため、画像を変化させることで多様な音響が生成可能である。同時に、走査線の動きをコントロールすることで音楽的な構造が生まれる。
小林良穂
1979年東京生まれ。慶應義塾大学、法政大学、玉川大学、千葉商科大学非常勤講師。ポストロックバンドnumber0のメンバーとしての音楽活動(現在は活動休止)と並行して、デジタル音響信号処理技術を用いた音楽情報処理のアルゴリズムやソフトウェアを多数開発。これらを利用した楽曲制作を行う。また、画像認識や画像処理の技術を独自の音響生成/音響処理ソフトウェアと組み合わせたサウンドインスタレーション作品は、海外を中心に展示発表されている。博士(政策・メディア)。
「コンピュータ音楽」はもはや珍しいものではない。現在、コンピュータは音楽制作の様々な過程で利用され、コンピュータが介在しない音楽作品を見付けるほうが難しい。しかし、音楽におけるコンピュータが一般化するにつれ、その機能は利用者にとってブラックボックスとなり、単なる演奏を録音・編集するレコーダーとして、または音色を変化させるエフェクターというような扱いになってしまっている。この作品は、もう一度コンピュータで音楽を生み出す意義を再考し、コンピュータの計算の中から音楽が生成され変化していく様子をビジュアルとともに体験する作品である。演奏は、真っ新な「無」の状態から始まり、リアルタイムにコーディングされ生成された結果のみを用いた音と映像が即興的に変化していく。コンピュータ内部の計算が生みだす美しさを感じてほしい。
田所淳
1972年生まれ。クリエイティブコーダー。慶應義塾大学、政策・メディア研究科博士課程在籍。多摩美術大学非常勤講師。東京藝術大学非常勤講師。東京工科大非常勤講師。アルゴリズムを用いた音響合成による音楽作品の創作、ラップトップコンピュータを用いた音と映像による即興演奏などを行う。大学では、openFrameworks、Processing、Arduino、PureData、SuperColliderといった「クリエイティブ・コーディング」についての講義を行う。講義資料はWebサイト(http://yoppa.org/)で公開、多くの学生やクリエイターに活用されている。
Frame Shift 01は音楽を構成する重要な要素であるリズムに焦点を当て、従来の西洋音楽手法とは異なる視点の獲得を目指した作品である。音の並びやタイミング、波形を変化させパターン構造のモアレを引き起こす。音の発音には様々な波形の周期関数を使用し、ずれや同期をコントロールする。電子音、環境音などの様々な音からパターンを生成し、音楽的表現の可能性を模索する。
村岡和樹
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科エクス・デザイン所属。サウンドデザイン、インターフェイス開発、ビート・リズムに関する研究に従事。2013年に音楽レーベルAdapt Recordsを設立、同レーベルからKazuki Muraoka名義でアナログEPをリリース。関東を中心に、札幌、大阪などでもライブ活動を行う。ICMC2012ではインスタレーション作品“Sonodial”でサウンドデザインを担当。ICMC2014にて自作ソフトウェア“L.F.Operator”を使用しライブパフォーマンスを行う。